桐たんす 相徳(あいとく) 桐箪笥一筋 

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桐たんす選びのポイント



★はじめに★

★いかにも たいそうなタイトルですが

アプローチの仕方によって いろいろに書くことができます。

普段お客様に説明するに当たっては まずは
どんな形がご希望ですかとお伺いすることになるわけで
そこからなのですが 

今回の説明としては 切り口はそちらからではなく

実際に来店された方が 
桐たんすをどう判断されればよいかという方向から考えます。

値段の違いということもありますね。
値段が変われば 品物も変わる。

どのあたりで お考えになるかということもあります。  

具体例として 

掲示板での事例 や 打敷たんすの事例 などもお客様のご意見として生の声に接することができます。 ★


★ご質問をお待ちしています★

★ 1. 材質について★

★桐 と 一口に言っても 実は かなりの巾があります。
会津桐が 最も良質とされますが
会津桐も 会津地方もそれなりの広さがありますから
その中のどこといった話にもなってきます。

さらに 国内の桐は 
青森から かなり広範の地域に ひろがります。

外国の桐も いろいろなところにあって
北米 中国 等が 有名です。

桐に似た木 たとえば ファルカタ などを 桐と称して売る業者もいます。

中国の桐は 値段的にも安く かなりの量が流通しています。
また 中国本土で 製品化されて 輸入されるものも多く
現在通信販売では 中国で製造されたものが 多くなっています。

一般論的に説明をしていくとかなり長くなり
桐たんすとしての範囲が かなり広く捉えることになってしまいますので

ここでは いわゆる ”桐たんす” として
製造販売されているもの程度に範囲を 狭めます。

材質の違いは グレード的に 少しづつ異なっていって
最終的には かなり異なったものになります。

たんすの品質は 材質と 構造と 職人の技術の組み合わせです。

一定の水準以上を念頭にして考えると
構造については ほとんど変わりがなくなってきます。
職人の技術も どこに力点を置いて判断するかで違うという
微妙な違いとなってきます。
と すると 材の違いをまず中心に考えるべきという考え方ができます。★




★2. 桐たんすの産地について★

★伝統的工芸品として国から指定されているのは
新潟県加茂 埼玉春日部 名古屋 大阪泉州 和歌山 の 5箇所です。

歴史的な経緯からして 運送手段などの関係から
なるべく材料を 消費地の近くまで持ってきて 製造するという流れでした。
ですので 加茂をのぞいて みんな大都市圏となります。

東京は 国の指定を受けていません。
東京 江戸は 大消費地だったわけで
歴史的に 100年以上の伝統ということであれば問題ないのですが
まぁ しっかりと申請しておけば良かったのですけれども・・・

加茂は ある意味 独自な発展をしてきたといえます。
生産量としては一番多く デパートでの販売の増加とともに
伸びてきたといえるのだと思います。

加茂の箪笥は 生産量としては 一番は確かなことですが
加茂の箪笥が一番というのは デパートの販売の方が話すことであって 加茂の箪笥は 良いものから いろいろなものがあると考えるほうが自然です。
ここは注意が必要です!

産地としてどこがよいかということについては
いろいろと意見があります。
伝統的なものなので 伝統的にすこしづつ 工法が違うということがあり それぞれの 工法のほうが優れているという話になり
あながちどちらが良いとは言い切れない という 話になりがちです。

昔に比べ 世の中は狭くなっていますから
昔ほど明確な違いは 現れにくくなっていて
一般論としては どこが良くてどこが悪いとは言い切れません。★


★3. 桐材の産地について★

★会津が一番といわれます。

一番といわれるのには 土地柄 土壌 気候ということもありますが
育ちの早い木だけに 育てるためのノウハウや 取り扱いにも違いがあります。

このあたりの詳しくは
当社のHPに詳しく触れています。

会津は 桐の産地ではありますが 箪笥では産地とは言いがたいです。
基本的に原木の出荷地域だったわけです。

地元の桐屋さんは 材料として桐を販売し
桐たんすを仕入れて 販売をするという形が 昔からありました。
ある意味 バーター取引ですね。
桐たんす製造業者は 会津の桐だけを仕入れるわけではないので
値段に応じて 桐を使い分けるわけです。
ここもひとつ注意が必要です。

箪笥は すべての材を 見渡せるわけではないので
桐を ある意味ブレンドする可能性が高いのも事実です。

総会津桐で製作された箪笥が 一番なので
よく見極めることが肝要です。

これはデパートに並んでいたから とか そういうことではなく
きちんと 信頼できる業者と話をすることが肝要です。★


★4.桐材材料の使い方について★


★なにしろ説明しているのの範囲が
中国製で通販仕様 というところから 
最高級品 数百万と言うところまでをカバーするような書き方になるので
かなり無理があります。


まずは すくなくとも きちんと桐の板を使っていることを確認すること。
通販とかだと 総桐と書いてあっても 総桐でないことがあります。
背中も 引き出しを抜ききって 中も確認する必要があります。

もっともこれはいくらの箪笥でも理屈は同じで
普段 普通に触っていては見ることがないところを見ておくことが大事。

だいたいどんな箪笥でも 一番目に触れるところにはいい材料を持ってきますが
まず目に触れないところは材料が落ちる場合が多いものです。
この時に一番目に触れるところと どのぐらい差があるかを確認します。

目がきれいとかそろっているとかの違いだな ということであれば
まぁ問題ないですが 明らかにまったく違うなぁ という時には
さらにじっくりと見る必要があります。

素人目にもわかりやすいのは 色 つや 温度 です。

無垢板 一枚板であることが望ましいと思います。が 
現在は 世の中 積層であることも多いです。
積層が明らかになるのは 木口が出ていればですが
積層にする業者は 基本的に木口を出しません。

積層かなと思ったら 積層ですかととにかく聞いておくことだと思います。
わからない販売員は 違います と 答えるのではないかと思いますが
ほんとに判ってない場合も多いと思います。

積層の場合 心材は どこの桐なのかまったくわかりませんから
桐材の厚みは 必ずしも値段と比例しません。

中を空洞にしてしまう業者もあります
フラッシュ構造と呼びますが この場合は たたくとわかる場合もあります。
しかし 一般的に 現在は 8ミリ程度の厚みのものを貼りあわせるので
中に 空洞部分があっても 一般の方では なかなか判断がつかないと思います。

木口がはっきり出ている みえる箪笥のほうが
個人的にはいいと思っていますが
保立 箪笥側面が 
木口とか見えずに すっきりしているほうがよいという考え方があります。

重ね合わせを貫いて 上から下まで目が通っているのを
これがいいんですと説明されることもあります。
積層ではなくて そうすることはけっこうたいへんです。
積層であれば 話はまた変わります。

どこに力点を置いて 判断するかはお客様によります。★


★5.どこで話を聞くのか★

★ちょっと話の流れからは 順番が違うのですが

だんだん話としては どこの話が信用できるか
どこで話を聞くのがいいのかという話になってきてしまいます。

通販では すごく安い桐たんすがあります。

その通販は デパートだったりもします。
店頭で販売している品物との整合性はどう取るのかと思います。

担当者の段階で それなりに説明をするという事になって
会社全体として このように考えていますという統一した見解にはなりませんね。

突き詰めていくと それぞれに 歴史であり 積み重ねであって
お客様には これからもずっとそれを生業として なりわい として
やっていくんだと思っているところの意見こそを
きちんと聞いてほしいものだなぁ と 思います。

サラリーマン的に その担当になったから 仕事として
まぁ それは当然というか 普通なことで 一生懸命やってほしいのですが
そうした説明が 
たんす屋に生まれ育って それをなりわいとして やっているものが
遅れをとるようなことがあってはならないです。

私たちは 自戒も含めて より一層精進していかなければいけないです。★


★6. 工法について★

どうやって作ってあるかという話ですが

基本的には 値段の違いを 説明するときに
値段のちがいは 材質のちがい 職人のちがい 構造の違い の組み合わせ

そのなかで 構造の違いは これとこれとは こうちがうんです
と そう説明をします。 
値段のちがいは そこだけではなくて 職人も違うし 材料も違うし・・
ですが わかりやすい違いを説明することになりがちです。

昔は 桐たんす業界も秩序だっていて
特に奢侈品の統制令などがある時代は どうなっていると どうと
はっきりしていて 古きよき時代ですが

現在は このクラスはこうなっているんですと説明すると

まぁ 今これを読んでいる人も かなりの確率で業者だったりします。

で そうすると高く売れるのかぁ と思ったりします。

構造 工法でよく言われるのは 棚通しや 面取ですが
棚通し も そうか 通ってればいいんだな と 思う業者がいて
ただ通っているというたんすがありますので注意が必要。

たとえば あり組みがいいんです も
ほんとにそうかなぁ という 気持があって
たんに あり組みに なっている家具として考えると 
かなり安いものでもあります。

あり組みは 現在 ほとんどが機械加工で
手作りと言いながら 機械加工がいいですと言うのもヘンな話です。

機械加工なので 設定の変更はたいへんです。
ちなみに 引き出しの深さを *センチ変えてほしいのだけど と
はなすと あり組みでは対応できない業者もいるのではないかと思います。

実際 ここを見ていただければ明らかです と
言葉で簡単に説明できないのは 困ったもんです。★


★7. つくりのよしあし★

★ まぁ これが一番大事なとこですが
なかなかに説明が難しいところです。

特に二つをならべて 比較して どこがどうと説明するのでなければ
言葉だけで説明しても わかるものではありません。
ポイントとしてここを見るとね という話でも
まず正しくは伝わりません。

職人の手仕事で 手でやることだから 必ずちがいがあるわけで
また 同時に 何を重視しているかも 職人によって違います。

よく 引き出しを入れると 他の引き出しがすっと出てくる
これをもって良しとする という見方がありますが
必ずしも それがいいとも限りません。
よく出るようにするテクニックとして 
接地面を減らして 空気抵抗を減らす 奥行を短くして 空気量を増やす
空気穴を大きくして 循環を良くするなどがあります。
どれも 本質とは違うところです。
まして 湿気に対して反応するわけですから 本来いつ行っても
引き出しが同じように出るのであれば そのことも問題です。

わかりやすさで言えば って あんまりわかりやすくないのですが
引き出しの接触感 引き出しと本体が触れている感じ 密着感が大事だと思います。★


★8. 金具について★

★ 金具は 箪笥選ぶときに 大きなポイントとして考えている人が多いのですが
実際のところ 金具は一番最後のほうの工程で取り付けるものなので
何を選んでも ほんとうはいいものです。

一般的に桐たんすは 店頭であるものから選ぶと言うことだと
金具を見てなんとなく決めてしまう
いい金具がついてたから とか そういうことになりがちですが

ある意味 言い方は非常に良くないですが

学習机を買いに行って 引いてあったデスクマットに引かれて
決めてしまうと言うような気がします。

まぁ 店頭では 当社でもそうですが
ある程度 箪笥の序列に従って 金具を取り付けています。
極端に 箪笥に見合わない いい金具をつけたものを 並べたり
そういうことは 全体のバランスが狂うのでしないものですが
今の世の中 いろいろなケースがあります。

金具がかわると 箪笥の雰囲気はだいぶかわります
好きなものをお選びいただいて それを御付けすればいいのです
そのことによって 金具自体に金額の差がありますから
差額をいただかなければいけないケースは発生します

それにしても 金具の差額が もともと計算に入っていたものとの差が
5万も10万もとなるケースは きわめてまれです。


金具と 箪笥との費用的なバランスとか
そういうことでも 金具が それほど高くなるわけでもありません。

もっとも 比較的 御安い価格帯のおたんすに
どーんと高い金具をつけるという考え方もあります。

このあたりは お客様の判断ですので 私たちは なんとも申せません。

金具を選ぶ上でのポイントは

まず 少なくとも 一定以上の品質であること
ものすごく長い年月 開け閉めしようと思うのであれば
それに見合う耐久性が必要です。

このあたりは すくなくとも 桐たんすを専門に扱っているようなところであれば
問題のあるものをつけていることはありません。
だいたいどこへ行っても同程度のものがついているはずですが
なかには これではなぁ〜〜 という 物も存在します。

デザインとかは かなりの種類がありますので
お選びいただければと思います。

桐たんすに 
いわゆる桐たんす用ではない金具を御選びになる方もいらっしゃいます。

べつに 問題はありません。★


★9. 仕上げについて★

★ 表面の塗装の話です。

通販カタログなどでは うづくり砥粉仕上げ とか 書いてあったりします。

箪笥は 職人の仕事として大別すると
木取り という ようは 木から というか 板から
これはどこ あれがどこ この板を使おう とか そういう作業のところと

組み立て アセンブリ というか 製作 という作業と

仕上げ 金具付け  という 作業と 大きく分けると 3つになります。

三つでなくてもっと細かく分ける場合もあるし
全部を一人でするんだという人もいます。

まぁ 分業になっているのが一般的で
全部を一人でやるんだと 効率もよくないし
ひとつの作業をするのが それこそ何日ぶり ということになってきます。

さて 仕上げにも 大別すればいくつかに分かれます。
木ですから 他の家具で行われるような 
ウレタンであれ オイルステインであれ そういったことも出来ます。
漆も出来るし 拭きうるしもできます。

桐たんすは 一番一般的なのは 砥粉仕上げ
ついで 時代仕上げとなります。

時代仕上げは バーナーで焼き目をつけます。

砥粉仕上げの 利点は 表面が完全な皮膜になるわけではないので
湿気に対して 反応が早い 反応の速さを保持できることにあります。

他の仕上げ方法は 表面に皮膜をしっかりかける
時代仕上げは 表面の繊維を焼くわけですから
反応速度とか 反応の敏感さと言う点ではちがいがあると考えています。★


★10. 価格★

★ 実際のところ 大きなポイントは 価格ですね。

値段は 安ければ安いほうがよい 品質はよければよいほどがよい

これは もう まったくその通です。

店店によって 値段のつけ方がまちまち
店の中での値段の整合性というものが また問題。

ひとつの店舗の中では 値段はそれなりにどこでも整合性が取れている
というのが常識的なことですが
説明する人がわかっていないところだと
説明しているうちに あれもこれも同じになっちゃうと言うこともままあります。

あれもこれも 桐は会津桐
あっちもこっちも伝統工芸士作 で どこが違うの  って
いい加減な業者がいるものです。

さて それぞれ値段に見合った品質のものを選ばれればと 思います。
値段が変われば 品質もかわる 作り手も変わり と なります。

逆に 植林した木で 日本で 日本の職人が手作りで
さして 流通経費がかかっていないのであれば
極端に 御買い得とか なん割引とか 
そんな風になるわけがないのです。

値段は いつも いつのばあいも それほど大きく変動することなどありません。
まぁ 多少はあるにしても なんわりとか そんなことはありえません。

なので 価格については いろいろと見て歩くこと

結局はそういうことなのだと思います。

急いで買うこともありません。


★まとめ★

★価格や 予算については 人それぞれの部分もあって
ご説明が難しいです。

20万円 の場合も 200万円の場合も ・・・・

ただ ある程度の大きさのたんすとなると
職人が手作りとなると 一日や二日で出来るわけではないので
もうその段階である程度の金額 材料費もかかるし 運送費もかかります。

なので そうそう御安くはできません。

いっぽうで 通販等で 量産の桐たんすもあります。
量産するのでなければ価格は抑えられません。
まぁ 量産でもいいわけですが たんすに対する考え方が違う
他の文化の人が作っているものなので
違う文化だと思って品物を見極める必要があります。

値段は値段なりの場合が多いので 別段安いとは思いません。
かえって この値段でこの品質なのかぁ と
思わさせられる場合が 多いです。

一方で 200万とかいう場合もあります。

日本で 植林して育てた木なので それなりの手間をかけて育てているし
けっこうな御値段にはなるものなのですが
それでも 実のところ そんなに原木は すごく高い
目が飛び出るほどというわけではありません。

ここも どの人と話すかによって 話がかわってくるところで
1立方いくらで計算するか とか の 話になると
外国の木とかと比べると かなり高いのですが
いわゆる銘木 と言った形の 立方で考えるのになじまない木と比べると
高いわけでもありません。

さて 職人の手間が 私は 職人の地位は 
賃金は もっと向上するべきだと思ってますが

それほど高いわけではありません。

なんで 200万とか 250万とかなるのかなぁ が 
正直なところ 私の疑問。 

最終的には 信頼できる相手に しっかりと質問をするということなのだと思います。★







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