桐たんす 相徳(あいとく) 桐箪笥一筋

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老舗風土記 第三回


★よい口をきく箪笥★

★この業界には「箪笥が口をきく」という言葉があって、
箪笥の口のきき方で、商売が繁盛したり駄目になったりする。

相徳のたんすは、よい口をきくそうである。
よい口をきくとはどういうことかというと、
丹精こめて作った品をよい状況で納品すると、買い手はその品物に愛着を持つ。
評価をする。人にも宣伝するし、次に買うときも同じ店を指定する。 祖母が買い、子が買い、孫が買う、そして曾孫の嫁入り道具も相徳で・・という風に、
顧客は代々続いていく。
箪笥が直接喋るわけではないが、買った人に思い入れがあれば、
口コミで商品が宣伝されるということである。

反対に粗悪品を売った場合、二度と買ってはくれないし、その店の悪口を言う。
相徳のように一点商品専売の店にとって、顧客による口コミは商売を左右するのである。
信用がすべてである。

商売は信用が第一といわれるが、最近はそうでもないところが目につく。
狂気の如き消費時代が到来して、
一見客相手でもやっていける業種が増えているからかも知れない。
しかし客の顔を、行きずりに蓋を開ける財布としか見ない商売は、
一時はよくても、いずれはしぼむ。客を甘く見てかかれば、必ず罰があたる。

絶対だ!間違いない!といきり立つのは、客を代金支払い機同様にしか見ない接客に、
小生がしばしばぶつかるからである。
小生はそういう店には二度と入らない。悪口を言いふらす。
皆さんもひとつ真似をしてください。お願いします。

桐たんすに話を戻します。
相徳は現当主で四代を数えるが、その娘さんがお持ちの桐箪笥は、
先々代夫人がお嫁入りのときに持ってきた品である。
箪笥店にお嫁に来るのに箪笥を持ってきたのは、風俗習慣にならったわけだが、
その箪笥は、先々代夫人から先代夫人へ、そして嫁さんへと・・
祖母―母親―孫と四代にわたって愛用されている。
桐箪笥が以下に長持ちするかの証明である。
もっともこの調子で、三代も四代も使われると、箪笥は余計な口をきいたことになりかねない。
品物対する愛着は愛着として、新しく買っていただく品は別・・ということであろう。
そういう風になるには、老舗すなわち店の歴史が必要である。
                  (文 もりた なるお)
   老舗風土記 産経新聞 平成3年 1991年 6月20日 ★




今回は たんすが口をきくという話ですが
一方で 桐たんすは削りなおしができるので そこで口をきくという話もあります。
こちらは 別のページでご紹介します


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